いま一度ガザの人びとの痛ましい姿を見る
イスラエルによるガザへの空爆と軍事侵攻がとりあえずしばらくおさまって、もうすぐ一ヶ月になる。日本でもそれなりに報道されていたように、10日のイスラエル総選挙の結果「極右」政党が支持を伸ばし、「右派」の連立内閣の可能性が取りざたされている。そうなると、イスラエルがさらなる残忍な殺戮を開始するのは、そんなに先のことではないかもしれない。もちろん「左派」や「中道」と呼ばれている労働党やカディマも、基本的には対パレスチナ政策では、違いがあろうはずもなく、どちらにせよ平和的な解決への取り組みはなかなか期待できなかったのだが、それでもあからさまにパレスチナ人排斥を訴える人間がこれほど支持を集めるとなると、極めて悪い予想がなされるしかない。
それでガザ虐殺22日戦争によって死亡したり負傷したパレスチナ人の写真を集めているサイトを見つけたので、もう一度じっくり見てみた。正直、あまりにひどい写真は、まさに殺戮が突き進んでいるときは、まともに見ることが出来なかった。それもあってか、今回ここに出ている300枚の写真のなかにあるような、これほど恐ろしく痛ましい写真があることを知らなかった。
http://www.slide.com/r/jDZglzzS6T_RHh8F9OzDZR6zP0_eiGRA?previous_view=lt_embedded_url
そしてこんなにひどい写真でも、おそらく実はそのむごたらしさがかなり抑制されたかたちで公開されていることがわかる。そのほかの写真でも、子供の遺体の多くは、埋葬の際には当然だがきれいにされて扱われている。また女性の写真は少ない。私たちの知ることは、努力してさえも非常に限られたものでしかないことが想像される。
今日はバレンタインだそうだが、それにかこつけた、こういうイスラエル擁護の報道もある。
「イスラエルは、ガザから2万5千本の花の出荷に許可を出した。バレンタイン・デイ用としてヨーロッパに出荷される」(BBC)
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/7885412.stm
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/middle_east/7885677.stm(動画)
なにかイスラエルが、ガザの農家のために封鎖を解く方向にあるような印象を与えるが、記事を読めばまったく意味不明の態度であることがわかる。実はこの花以外はまったく何も通させるつもりはないのである。なぜイスラエルは、「ヨーロッパ向けのバレンタインの花」だけを封鎖の例外として認めるのか? 要するにヨーロッパの資本主義=クリスチャニズムに媚を売っているわけである。これほどの悪辣な欺瞞があるだろうか。世界史的にアホの集団であるイギリス人は、BBCのこの報道の冒頭だけ受け取って、「紛争の中にもいい話があるなぁ」とか思うのだろうか。