虐殺の一過程としての「人間の盾」―イスラエルの自己宣伝を批判する

大手メディアも、この少年を「人間の盾」にした兵士に対するイスラエル軍事法廷の判決を報道しているが、いまひとつ本質を伝えていないようだ。

2008年暮れのガザ侵攻において、こうした行為が虐殺の一過程、一部分として行われたということを理解しなければ、報道に何の意味があるだろうか? この少年は、子供の権利擁護の国際組織「ディフェンス・フォー・チルドレン(DIC)」を通じて相当の手続きを踏まえて訴えたおかげで、ようやく事件を明るみにすることができたのであって、同じような行為の中で無惨に殺された多数の子供のほとんどが、その不当性・不正義を訴えられないでいるままなのである。

大手メディアは、ゴールドストーン報告書の勧告履行をイスラエルがまったく無視していることについて、批判的に報じることをいまや完全に放棄したかのようだ。それなのにこのイスラエル軍事法廷判決を伝えるのであれば、それは「不適切な行為があれば罰している」というイスラエルの自己宣伝を助けるものでしかない。

2010年11月22日のツイート