2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『十八歳、海へ』

藤田敏八監督の1979年作品『十八歳、海へ』をDVDで先日見た。原作は、中上健次の1つの短編小説だが、中身はかなり違うそう。実は、中上の同名の短編小説集はまだ読んでいない。どちらにせよ、映画は映画として見るにしくはない。森下愛子と永島敏行演じる…

『サマリア』以降が重要だそう

キム・キドクの『サマリア』をDVDで見た。暴力や性のある極端な形態における「愛」みたいなものを描き出そうとする手法は、しばらく前に見た同監督の『悪い男』とパターンが似ている。その初発の思いつきが映画の流れの中で停滞すれば、別の着想へと接木…

『イン・マイ・カントリー』『僕の大事なコレクション』

『イン・マイ・カントリー』をDVDレンタルしてみる。南アフリカで長年黒人民衆を苦しめてきたアパルトヘイトによる被害を調査し、裁きよりは和解をうながす「真実和解委員会」を取材するジャーナリストの男女が主人公。アフリカ系アメリカ人の男性をサミ…

ラスタの時間は停止している?!  『ルーツ・タイム ROOTS TIME』

『ルーツ・タイム ROOTS TIME』というラスタ映画を第七藝術劇場で見た。2006年作ということだったので、今までのラスタファリアンやレゲエミュージシャンを描いた映画とは、また違うものを見せてくれるかと思ったが、なんというかいつも以上にコテコテのラス…

『長江哀歌』

ジャ・ジャンクー監督作品『長江哀歌(ちょうこうエレジー)』を見る。同監督の作品は、はじめて見た。「大河・長江の景勝の地、三峡。そのほとり、二千年の歴史を持ちながら、ダム建設によって、伝統や文化、記憶や時間も水没していく運命にある古都・奉節…