ブライス・ダラス・ハワードが見れなくなった

ラース・フォン・トリアーの『ドッグヴィル』を見たが、あまりのひどさにあぜんとなった。作中随所に露見する、作り手のあざとさと薄っぺらさ、センスの無さは、ちょっと他に例を見ないのではないか。単に作品の出来が悪いとかではなく、もっと手前のレベルでこれを「映画」とは認めがたいし、それ以上になにかメタレベルでイロニーをにじませようというような、作り手の低劣な性根が、はっきりいって気持ち悪い。丁寧な批判をするのも時間の無駄と思える。

そういえば忘れていたが、以前に見た同監督の『ダンサー・イン・ザ・ダーク』も同じように否定的な感想を持ったのだった。それなのになぜ『ドッグヴィル』を見たかというと、3部作と称され『ドッグヴィル』の続きとされる『マンダレイ』に主演としてブライス・ダラス・ハワードが出ていて、それを見ようと思ったのだ。しかし続きものならまずは第1作を見ないといけないとなり手を出したのだが、失敗だった。M・ナイト・シャマランの『ヴィレッジ』や『レディ・イン・ザ・ウォーター』で好演しているブライス・ダラス・ハワードが楽しみだったのに、これでは『マンダレイ』も悲惨に違いなく、ちょっと見る気がなくなってしまった。がっかり。