『娘・妻・母』
夫に先立たれて出戻った長女・原節子にたいして、他の家族が同情的でありながらも、夫の生命保険を手に入れたと聞いてはお金を借りようとしたり、長男・原雅之が資産運用を失敗して家を手放さなければならなくなれば、老いた母親の面倒を見ることよりも、相続されるはずの遺産のうち自分の分は受け取れるのか心配したりと、家族間の金銭感覚がかなりドライに描かれているのが印象に残った。1960年の作であるということで、意外な感もあるが、いや、昔も結局はそんなものだったのかもしれない。なかなか生臭いところもあるのだが、それでも原に加え、高峰秀子、三益愛子、杉村春子、草笛光子など豪華な女優陣がそんなリアリズムを品よく演じていて、非常に面白かった。
- 出版社/メーカー: 東宝
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