『イズラエル・ヴァイブレーション ISRAEL VIBRATION』
去年12月に「PLANET+1」で見た作品だが必要にかられて、『ISRAEL VIBRATION』をとうとうDVD購入した。
「イズラエル・ヴァイブレーション」はルーツ・レゲエのコーラスグループとして、まずまず有名どころ。その純正なサウンドはもちろんめちゃめちゃ最高なのだが、ラスタファリアンとしての純朴なまでの真正面なふるまいが、どんなレゲエバンドにもまねできない、独特のスタイルを彼らにあたえている。
本作は、イスラエルでのツアーライブの様子とメンバー3人へのインタビューをまじえながら、彼らのリリックの意味とその生き方をとらえようとするドキュメント。最初見たときはすべてが謎めいていた。いろいろ本などを読んだりして、いまようやく「ジャー(神)」への信仰がどうしてレゲエとかかわりあうのか、その背景と特質が分かるようになってきた。きわめて単純に言うと、それは黒人の存在とアメリカ大陸における奴隷制度、そして近代資本主義の問題になる。だがそうすると、またある意味で謎はさらに拡張されてしまっただけのようにも思える。
少し前に読了した『カリブからの問い ハイチ革命と近代世界』では、宗主国フランスにおける市民革命の限界を突き破るように、1793年に奴隷解放、1804年に黒人の国家として独立をはたすハイチ(サン=ドマング)の歴史が描かれている。奴隷解放の闘争蜂起において、黒人奴隷たちは、ヴードゥーの儀式をおこなったという伝承があるらしい。そしてヴードゥーは、アフリカ由来の精霊信仰に根ざしているが、ハイチでの形成については「キリスト教(カトリック)および奴隷制との関係が不可分である」と著者は説明している。
ここには、ジャマイカにおけるラスタファリアニズムとのパラレルな問題を見出せるだろう。
- アーティスト: イズラエル・ヴァイブレーション
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- 発売日: 2006/11/23
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- 作者: 浜忠雄
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