国際シンポジウム「映画の中のホロコーストとナクバ」

ふたたびイスラエルによるガザへの攻撃が行なわれているような状況です。
実は、「停戦」が宣言されても、毎日、海上の戦艦から砲撃が行なわれていたという情報もあります。http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=590&sel_lang=japanese


ガザ攻撃の再開の理由が「検問所付近でのガザ側からの攻撃があったため」と全てのメディア
で報道されていますから、誰もがそう信じてしまうと思うのですが、そこには必ずそれ以上の
えげつないことがあるのだと、いつも考えるようにするほかありません。空気のような天皇制の
浸透に染まらないでいるのも大変ですが、イスラエルアメリカ=旧帝国主義国列強同盟の
手前勝手な物語に嘘があるのを見破るのも、とても大変なようです。


2月1日(日)に京都で、3日(火)に大阪で行なわれるパレスチナ問題に関するシンポジウムの案内です。
日本初公開の映画や公開セッションが予定されているようです。


□□□□□□□□□□□□□□ 転送・転載歓迎 □□□□□□□□□□□□□□


このたび、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所は、
レバノンとイギリスから映画監督・研究者を招聘し、ドキュメンタリー
映画の上映を交えた、連続国際ワークショップ『映像で見る紛争犠牲者たち
―1990年代以降のパレスチナユダヤの語りから』を開催します。


2月1日(日)と3日(火)には、その第2回目(京都)と第3回目(大阪)が行われます。
いずれも公開セッションですので、皆様のご参加をお待ちしております。


■ 京都セッション
国際シンポジウム「映画の中のホロコーストとナクバ(Holocaust and Nakba in the
Cinema)」


日時:2009 年2月1日(日) 15:00−18:30(事前上映は13:00−)
会場:京都大学 吉田南キャンパス 人間・環境学研究科棟 地下講義室
(周辺案内図 http://www.h.kyoto-u.ac.jp/access/


内容:
ナクバから始まるパレスチナの悲劇と、ホロコーストでのユダヤの悲劇は、
紛争によって結びつく。また両者は、それぞれのコミュニティの態度と
アイデンティティを構築する要素でもある。西洋のファシズムの犠牲者
であったユダヤ人が、同種の悲劇をパレスチナ人に対して生む結果に
なったのは、歴史の皮肉としか言いようがない。かれらは自らの悲劇から、
何を学んだのか。そもそもナクバの悲劇について認識しているのか。
このシンポジウムでは、両者のナラティブの比較を通して、それぞれが
悲劇に向き合うやり方や、国際社会の中で、それらが政治的、文化的に
どう位置付けられてきたか検討する。


プログラム:
《プレ・セッション》13:00〜14:30
映画上映:
『無期難民(Refugees for Life)』ハーディー・ザッカーク監督, 2006年, 48分.
『危険な状態(State of Danger)』ハイム・ブレシース監督, 1989年, 30分
(両作品ともに日本初公開、英語字幕)


《国際シンポジウム》 15:00〜18:30 (タイムテーブルは変更の場合があります)
15:00- 15:15 趣旨説明:岡真理(京都大学
15:15-16:55  講演:「映画の中のホロコーストとナクバ」
       ハイム・ブレシース(イースト・ロンドン大学
16:55-17:10 休憩
17:10-17:40  コメント: ハーディー・ザッカーク(ベイルート・セント・ジョセフ大学)
17:40-18:30  総合討論
19:00-   懇親会


司会:西成彦立命館大学
言語:英語  ※日本語への逐次通訳がつきます
主催:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
文部科学省特別教育研究経費「中東イスラーム研究教育プロジェクト」)
共催:京都大学大学院人間・環境学研究科
立命館大学モダニズム研究会
文部科学省科学研究費補助金 基盤研究(A)「モダニズムの世界化と亡命・移住・難民化」)


■ 第3回 大阪セッション
グローバルCOEプログラム「コンフリクトの人文学国際教育研究拠点」コンフリクトの人文学セミナー第25回/東京外国語大学「中東イスラーム研究教育プロジェクト」国際ワークショップ


パレスチナの二つ国家 ―わずかすぎる、遅すぎる―(Two States in Palestine:
Too Little, Too Late)」


日時:2009 年2月3日(火) 16:30−19:00
会場:大阪大学 豊中キャンパス内 待兼山会館会議室
(周辺案内図 http://www.osaka-u.ac.jp/jp/annai/about/map/toyonaka.html )


内容:
イスラエルパレスチナの紛争の解決には、二つの案が提示されてきた。それは「一国解決案(二民族国家案)」と、「二国解決案」である。1947年には国連で両案が審議された上で、分割決議が行われた。イスラエルオスロ合意まで、パレスチナ国家の樹立を認めなかったが、そこで約束されたものもまた、非合法な土地収奪により骨抜きにされた。和平交渉は、両者の不平等な立場を前提としたもので、イスラエルパレスチナはあたかも「騎手と馬」のような関係であった。そこに公正な解決案が生まれるはずもなく、イスラエルの植民者としての利益を実現させるのみとなった。本ワークショップでは、現在の展開からふたつの解決案を再考し、映像作品に基づき、近い将来の解決の可能性を探っていく。


プログラム:
16:30-16:45 趣旨説明:赤尾光春(大阪大学
16:45-17:15 映画上映:『危険な状態(State of Danger)』ハイム・ブレシース監督,
1989年, 30分
17:15-18:15 講演: 「パレスチナの二つ国家 ―わずかすぎる、遅すぎる―」
ハイム・ブレシースHaim Bresheeth(イースト・ロンドン大学
18:15-19:00 総合討論


司会:赤尾光春(大阪大学
言語:英語(講演・映画字幕ともに)※通訳はありません
主催:大阪大学グローバルCOEプログラム「コンフリクトの人文学 国際研究教育拠点」
共催:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
文部科学省特別教育研究経費「中東イスラーム研究教育プロジェクト」)


・全体の趣旨や、各セッションの内容(英語版)は、下記のサイトをご参照願います。
http://aziza.web.fc2.com/contents/aa/aa_index.html


・連続ワークショップ『映像で見る紛争犠牲者たち
―1990年代以降のパレスチナユダヤの語りから』全体のプログラムは、東京外大の下記のサイトからもご覧いただけます。
http://www.aa.tufs.ac.jp/fsc/meis/aa-lectures090130.html


*********************


問い合わせ先:
中東イスラーム研究教育プロジェクト事務局
meis@aa.tufs.ac.jp tel 042-330-5665